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西新宿 彩旬亭

幸せにいきるお浄土

ここ数年でお葬式の在り方が大きく変わりました。ほとんどが家族葬になってしまいました。これも時代でしょう。

改めて、終わっていく命はお浄土へと生まれると聞かせてもらうのが浄土真宗です。しかしながらそのお浄土が現代には響かなくなっています。理由は幾つかあると思いますが、長生きできるようになったことは大きいと思います。

昔は人生50年と言っておったのが、今は人生80年です。これから先を考えると人生100年です。戦後70年で2倍になったのです。

その寿命を仏教発祥の地、インドで考えてみます。調べてみましたが、2500年前のインドの平均寿命ははっきりわかりません。しかしながら恐らくではありますが、30歳くらいだと思われます。20歳代であってもおかしくありません。

当時はバラモン教で、上からバラモン(支配階級)、クシャトリア(貴族)、ヴァイシャ(農民)、スードラ(奴隷)、そしてアウトカーストのダリットです。これは絶対に変わることができず、職業も変わることができません。いくら才能があろうが努力しようが一切報われないのです。奴隷やダリットであれば生まれ変わっても同じカーストですから生きる喜びも夢もなかったと思うし、頑張ろうとも思えない状態でしょう。

そんな背景の中で、お釈迦様は「天上天下唯我独尊」といったのです。生まれにして決まるのではなく、いつの時代のどこに生まれても、一人ひとり皆尊いのですよとおっしゃったのです。そして、命終わったらお浄土に生まれるのですよと言われると、お浄土という言葉は幸せの希望の世界で輝く言葉だったのです。

2000年以上経って、DNAや再生医療やゲノム編集などの医療技術がどんどん進んでいます。長生きができるようになって、お浄土が響かないようになってしまっていると思います。

そこで最近は、お浄土という言葉を「幸せのお浄土」と言うようにしています。

亡くなられた方は阿弥陀様によって、幸せのお浄土に生まれているのです。幸せのお浄土へ生まれたなら、残された子や孫のもとに帰ってきて、同じように幸せに生きて同じように幸せのお浄土に生まれるのですよと守り導いてくださるのです。

今日は寺報(お寺の新聞)3月号の原稿を印刷屋さんへ届けました、そこには「幸せの一言」「幸せのお浄土」「幸せに生きるお聴聞」と書きました。

来年はオリンピックです。続いて大阪は2025年万国博覧会も開催されます。長生きできる時代に仏法で幸せになりましょう。

西教寺では毎月ご法座があります。幸せになりた方は是非お詣りください、お待ちしております。

宗教法人 西教寺